元・国税審判官が語る国税不服審判所とは

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

本記事では、国税不服審判所のHPに掲載されているパンフレット「審判所ってどんなところ? 国税不服審判所の扱う審査請求のあらまし」(平成29年8月)に記載されている内容について、税理士法人チェスター審査部部長 大橋 誠一が、国税審判官を経験し感じたことを解説いたします。

1.国税不服審判所の役割

国税不服審判所は税務行政部内における公正な第三者的機関として、適正かつ迅速な事件処理を通じて、納税者の正当な権利利益の救済を図るとともに、税務行政の適正な運営の確保に資することを使命とし、税務署長や国税局長など(「税務署長等」といいます。)と審査請求人との間に立つ公正な立場で審査請求事件を調査・審理して裁決を行っています。
(「審判所ってどんなところ? 国税不服審判所の扱う審査請求のあらまし」(平成29年8月)より抜粋 出典:http://www.kfs.go.jp/introduction/pamphlet/index.html

上記内容につきまして、元国税審判官の大橋が解説いたします。

1-1.税務行政部内とは

国税不服審判所は司法ではありません。
つまり、裁判官のような独立性はあまり期待できません。
あくまで税務行政ということは必ず上司がいるため、上司の方針に背いてまで判断はできません。

裁決書の原本を中々、ご覧いただくことはないかと思いますが、誰の名前で出るかご存知でしょうか。
担当審判官でもなく審判所長の名前でも出ません。裁決書には国税不服審判所本部所長の名前一人で出されます。
これが何を意味するかと言いますと、行政判断の全国統一性の要求が働きます。
東京、大阪それぞれで同じような事案が出た場合の採決が全く違うことがあってはいけないため、本部所長の名前で出るという縛りがございます。
そのため、税務行政部内という制約を込めて記載されています。

1-2.公正な第三者『的』機関とは

第三者機関とは書きたいところですが、審判所の立場としては第三者機関とは書けないため、あえて第三者『的』機関と書いています。

1-3.『税務行政部内』における公正な第三者『的』機関

審判所というのは税務行政の最終判断を担う場所です。
もし税務署長、国税局長が誤った処分をしてしまった場合はその審判所で取り消しておかなければなりません。取り消されなければさらに上の裁判所で取り消されてしまうかもしれませないためです。
審判所のスタンスとしては棄却(原処分維持)してしまって地裁で取り消されてしまうことを審判所が一番気にするところでもあります。

このように国税不服審判所の審判官を経験したからこそ、語れる国税不服審判所についてまとめた本DVD「国税不服審判所の実際」をご案内いたします。

本DVDでは上記以外にも

  • 国税不服審判所のスタンス
  • 納税者が選択する不服申立制度
  • 審査請求の手続の実際
  • 一般的な審理の流れ
  • 国税不服審判所の各種取組
  • 審査請求事案の傾向
  • 国税審判官に任官されて得たこと

といった 内容を解説しております。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。