縄縮みしている土地の相続税評価

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評価対象地の中に、公図が不正確で登記簿上の地積が現況より明らかに小さいものがあります。財産評価のときに用いる地積はどうすればよいですか?

1.語意の定義

1-1. 縄伸び、縄縮み

実測した土地の面積が、登記簿に記載された登記地積より小さいことを縄縮み、大きいことを縄伸びといいます。これは明治時代の測量技術の未熟さや、租税負担逃れ等が発生原因となっています。

このため、先祖代々相続してきた土地等で周辺にも宅地開発等がなされていないような地域では、縄伸びや縄縮みの土地が数多く存在します。

2.縄縮みしている土地の評価にあたっての留意点

2-1. 測量士による実測が必要か?

国税庁のタックスアンサーでは「実際の地積」によることの意義について、以下のような照会と回答があります。

【照会要旨】
土地の地積は、「実際の地積」によることとなっていますが、全ての土地について、実測することを要求しているのでしょうか。
【回答要旨】
土地の地積を「実際の地積」によることとしているのは、台帳地積と実際地積とが異なるものについて、実際地積によることとする基本的な考え方を打ち出したものです。
したがって、全ての土地について、実測を要求しているのではありません。

実務上の取扱いとしては、特に縄延の多い山林等について、立木に関する実地調査の実施、航空写真による地積の測定、その地域における平均的な縄延割合の適用等の方法によって、実際地積を把握することとし、それらの方法によってもその把握ができないもので、台帳地積によることが他の土地との評価の均衡を著しく失すると認められるものについては、実測を行うこととなります。

出典:国税庁ホームページ(https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/hyoka/01/05.htm

国税庁のタックスアンサーからも、実際の相続税申告実務において、全ての土地についての実測は必要ないことが分かります。
実務上も測量士による実測をすると費用がかかるため、積極的には行いません。
しかし、評価対象地が売却予定で相続税申告とは関係なく測量する見込みがある場合には、申告前に実測を済ませておく場合もあります。

2-2. 公簿か実測か?

税務上よく問題となるのは、実測面積が公簿面積よりも広い場合の縄伸びです。明らかに縄伸びである場合、土地の相続税評価額が高くなり、それに応じて相続税の額も増加するので、課税庁から指摘される可能性もそれ相応に高くなります。評価に際して、意識的に確認しましょう。

しかし、一方で縄縮みのケースでは、相続税評価が低くなりますので、税務署からの更正指導はあまり望めません。納税者側から積極的に縄縮みであることを主張して、申告することが必要です。ただし、正式な測量を行うと費用負担も大きいため、会計事務所による簡易測量で対応することで十分でしょう。

2-3. 縄伸びや縄縮みにどうすれば気付くことができるか?

縄伸びや縄縮みに気付くためには、次のポイントを確認しましょう。

①測量図があるかどうか
測量図があれば、実測面積がすぐに分かるため、最も高い証拠能力を有します。ただし、測量図がない土地も多くあります。

住宅地図と公図で形状に違いがないか
 相続税評価を行う際に住宅地図と公図を比較すると、現況に比べて、公図上の形状に大きな違いがあれば、縄伸びや縄縮みの可能性が高いと判断する材料になります。

②建物1階床面積との比較
対象地の上に建物が建っていれば、1階部分の床面積を確認することも、チェックポイントの一つになります。例えば、1階部分の床面積100㎡に対して、登記地積が80㎡であるといった場合には、縄伸びの可能性が高いと判断できます。
③現地調査で間口や奥行距離を確認する
現地調査の際に間口や奥行距離をメジャー等で簡易測量することで、縄縮みの可能性を確認することができます。例えば、間口が10メートルで奥行きが20メートルの土地であるのに、登記地積が300㎡であったような場合には、縄縮みしている可能性が高いと判断できます。
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