税理士の平均年収は716万円なり ~年齢別・男女別・勤務形態別の平均と実態~

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税理士は、合格率10%台の難関国家資格と言われています。では、その難関の国家資格をクリアした結果、一体どの程度の給料を稼ぐことができるのでしょうか。公に公表されている統計値と、私の経験を踏まえた実態から税理士の年収について徹底的に解説してみたいと思います。

1.税理士の平均年収は716万円

厚生労働省が発表している統計データによると、税理士の平均年収は716万円となっています。
毎月定額の給与が413.7千円で、賞与等が2198.6千円、413.7千円×12か月+2198.6千円=716万円となっています。

なお、このデータは、税理士・公認会計士という曖昧な分類でくくられており、母集団も6,000人程度しかありませんので、あまり実態を正確に表していないと言えます。
なお、こちらのデータの出所は以下の「平成26年賃金構造基本統計調査」となります。

▼平成26年賃金構造基本統計調査|厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chinginkouzou.html

1-1.他の専門職と比べてどうか(医師・弁護士・会計士等)

図1

※ 「平成26年賃金構造基本統計調査|厚生労働省」より
※ なお、税理士は統計上、正確には税理士・会計士の合計となります

さて、上記の図の通り、税理士の年収は他の難関国家資格である医師や弁護士に比べると少し下がります。ただ、日本の大企業の平均年収が600万円程度であることを考えるとそれでも高い水準にあると思われます。

なお、統計上は税理士と会計士は区別されていないので、正確にはわかりませんが、一般的には税理士よりも会計士の方が、年収が高くなる傾向にあります。
ちなみに、会計士の初任給は大手監査法人に就職できれば残業代を含めると500~600万円ほどとなります。

1-2.性別(男女)別の税理士の年収

図2

※ 「平成26年賃金構造基本統計調査|厚生労働省」より

上記が、男女別の税理士の平均年収となります。
女性の方が大幅に低くなっていますが、これはおそらく時短勤務や残業代の関係かと思います。統計上も出ていますが、月当たりの平均残業時間が男性は24時間なのに対し、女性は6時間となっています。

なお、私の感覚ですと実際の仕事をするうえで、税理士業界において給与・待遇面において男女の差別というのはないと思います。能力・実力のあるものが評価される実力主義だと思います。優秀な人間であれば、育児休暇等でブランクがあっても問題なく復帰し、一生活躍できる職業だと思います。

1-3.年代別の税理士の年収

図3

※ 「平成26年賃金構造基本統計調査|厚生労働省」より

世代別の年収は上記のようになっています。一般企業と同様、一般的にはキャリアを積むごとにある程度は年功序列で給与はあがっていますが、資格業の場合は必ずしも年齢と比例しないというところに注意が必要です。
例えば、25歳で税理士試験に合格して税理士業務を始めるものと40歳で合格して税理士業務を始めるもの。
この2者の給与はさほど変わりません。つまり、資格に合格した時点がスタートということになりますので、一般企業のように新卒で入社した時点がスタートではありません。その点、この年代別の年収はあまり参考にならないかもしれません。

ちなみに、一般的に65歳以上はリタイヤして働いていないことが多いですが、税理士の場合は独立していれば定年退職がないため70歳以上でも現役で所得を得ている人数が多いということが分かります。

1-4.勤務先規模別の税理士の年収

図4

※ 「平成26年賃金構造基本統計調査|厚生労働省」より

上記の企業規模別の情報は、政府の統計情報より集計したものですが、明らかに不正確です。
企業規模別の母集団数が分かるのですが、10~99人が2610名、100~999人の母集団が180人、1000人以上が1380名となっています。これは税理士業界の特徴ですが、1000名以上は所謂ビッグ4と呼ばれる大手税理士法人、逆に100~999人の事務所は極端に少なくなっています。そして、実は10名以下の会計事務所が大半なのにそれはこの統計に含まれていません。そういったことで、このデータはあまり参考になりませんが、大手の税理士法人で勤務している方が年収が高くなるということは間違いないと思います。

1-5.勤務形態(独立開業・税理士事務所・一般企業)別の税理士の年収

税理士の働き方は主に3つの選択肢があります。

  • 税理士事務所に勤務して働く
  • 独立開業する
  • 一般企業の経理部等で企業内税理士として働く

今まで見てきた統計は、おそらく税理士事務所勤務のデータとなります。
ちなみに、独立開業した場合の平均年収データというのはあまり参考になりません。例えば、世間の社長の平均年収は?というのと同じレベルです。年収100万円以下の社長もいますし、年収が億を超える社長もいます。こういった状況で平均データはまったく参考になりません。

また、一般企業の経理部で働く税理士の年収についても平均データは特にありませんが、例えば、東証一部の経理部長までいくと年収は1000万円を超えてくるでしょう。ただ、それは税理士という資格のあるなしはあまり関係ないかもしれません。資格があっても能力がなければ、上場企業の経理部長にはなれません。転職する際の+αのアピールポイントとして税理士という資格が少し役にたつくらいだと思います。

1-6.税理士の生涯年収は、定年がないので高め!?

税理士事務所に勤務していると、通常は一般企業と同様、定年退職があります。
しかし、定年退職後も自宅などで独立開業して、無理のない範囲で仕事を続けられるのが税理士という資格があることのメリットだと思います。90歳を超えて現役で働かれている税理士の方もいらっしゃるようです。

また勤務先を退職後、勤務先によっては顧客を連れて退職を認めてもらえる場合もあります。そうすると、比較的、独立に関するハードルも低くなります。

2.税理士の待遇・労働環境と将来性

税理士という職業の年収について今まで見てきましたが、年収以外の待遇面や労働環境はどうでしょうか。
順番に見ていきたいと思います。

2-1.税理士になる前、税理士受験生の給与は?

税理士という資格は一般的には何年も勉強して合格し、さらに実務経験が最低2年必要となっています。つまり、資格を取るまではいわば見習いという形で税理士事務所で働くケースが一般的です。

この税理士受験生の給与はいくらくらいなのでしょうか?
これは年齢等にはあまり関係なく、税理士事務所の勤務経験や資格が一切ない状態で、就職すると一般企業の新卒入社並みの給与水準(20~25万/月程度)であると考えてよいでしょう。

2-2.残業時間は比較的多めだが一般企業と同様、勤務先によって異なる

税理士業務は、労働集約的な業務です。売上に占める人権比率が非常に高くなります。つまり、税理士事務所の経営者としては、従業員にできるだけ低単価で多くの時間働いてもらう方が利益があがると考え、少し多めの残業を求める傾向にあるといえます。

ただ、これも一般企業と同様、事務所や働く部署、また時期によって大きくことなりますので一概に多いとは言えない部分もあります。

2-3.その他の福利厚生は

税理士という専門スキルがあれば、“つぶしが効きます”。つまり、転職が他業種と比較すると比較的容易です。そういったことから、税理士業界の福利厚生はあまり充実しているとは言えないでしょう。
退職金制度は、超大手の事務所以外は、まずないですし、あったとしても一般の大企業のように退職時に何千万円ももらえるというレベルではないです。

また、育児休暇制度や時短制度、食事補助や家族手当、こういったものも業界的にはまだまだ普及していないのが実情です。しかし、ここ最近の傾向としては、優秀な人材に長く働いてもらうためにこういった福利厚生をしっかりと考えている会計事務所も増えてきています。
税理士事務所のリクルートのHP等をチェックしてみてはいかがでしょうか。

2-4.税理士の将来性について

「税理士と言う資格をとったら、一生安泰」という時代はすでに終わっています。現状でも、仕事ができない税理士は就職が難しい状況にあります。
また、最近では人工知能によるクラウド会計ソフト等の台頭により、税理士の記帳代行業務の市場が大幅に減りつつあります。この流れは、ここ数年でますます進むと思われます。
そういったこともあり、10年後になくなる職業としてある雑誌の特集では“税理士”という職業があがっていたりしまが、私はそうは思いません。10年後にも税理士という職業は必ずありますし、活躍のフィールドがなくなることはないでしょう。

高齢化社会による相続税申告案件の増加や、記帳代行は人工知能にできても複雑な法人税務の処理はまだまだ人口知能にはできないでしょう。また、単に処理・計算をするだけではなく、税務に関するコンサルティングにはさらに高いスキルが必要とされます。この部分をAIができるようになって税理士がいらなくなるという時代がくるとすれば、他の職業のほとんどが必要なくなる時代になっているといっても良いと思います。

3.まとめ

  • 税理士の平均年収は712万円と他の業種に比べて高め
  • 男女によって年収の違いは実質的にはない
  • 税理士事務所勤務の場合、残業は比較的多めだが事務所によりけり
  • 税理士事務所の福利厚生はあまりよくない
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