【税理士向け】相続税申告報酬の適正な決定方法

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相続税の申告業務は蓋を開けてみないと、業務全体にどれくらいの稼働がかかるか分らない。かといって、後から稼働がかかったので追加の報酬は請求しにくい。そんなお悩みをお持ちではないでしょうか!?

ここでは、税理士の立場から相続税申告報酬を初回の面談時に適正に見積もるための方法論をお伝えしようと思います。

1.遺産総額・不動産の利用区分・相続人の数・非上場株式の数の4要素をベースに

基本的に旧税理士報酬規程に従っていますが、次の4要素をベースに相続税申告報酬を決定します。

・遺産総額

遺産総額が大きければ大きいほど、税理士が負う責任が大きくなりますし、また実際稼働もかかります。

・不動産の利用区分

不動産の評価単位となる利用区分の数が多ければ多いほど、稼働がかかります。
原則、すべての不動産について現地調査及び役所調査を行うと思いますので、やはりそれなりに稼働がかかりますし、また他の金融商品に比べて評価の難易度も土地については高くなっているからです。

・相続人の人数

相続人の人数が多ければ、やはりそれだけ作成する資料も多くなりますし、また遺産分割案の提案を行う回数や機会も増えて稼働がかかります。そのため相続人の数と連動させて報酬を見積もります。

・非上場株式の数

土地と同様、相続財産の評価に工数がかかる代表例として非上場株式があります。
但し、非上場株式が所有している土地がある場合にはその土地の数は前述の不動産の利用区分に含めることを忘れないようにしましょう。

以上の4要素によって、基本となるベースの報酬額を決定します。ここまでは、おそらく契約前の初回の面談時にヒアリング等で多くの場合が固められるでしょう。遺産総額の区分に応じた報酬や、不動産利用区分が1か所につきいくらかなど、その決め方は税理士事務所により異なります。税理士法人チェスターの場合は以下のように決めておりますので、参考にしてください。

参考:税理士法人チェスターの相続税申告報酬

2.その他の報酬

また4要素以外にもその他にかかる報酬として以下のようなものが考えられます

・税務調査立会報酬(申告後に税務調査があった場合) ⇒ 日当 50,000円
・書面添付についての意見聴取のみの場合 ⇒ 日当 25,000円
・未分割で申告後に、追加で修正申告書の作成が必要な場合 ⇒ 別途お見積り
・現地調査や訪問の際の旅費・交通費等の実費
・戸籍や金融機関残高証明書等の資料の取得代行をご依頼頂いた際の手数料及び実費
・その他、特殊事情により調査・検討が必要で、通常よりも多くの作業が生じるような場合
(過去に預金移動が多数ある場合の通帳調査、広大地評価、非上場株式の会社規模が大きい等)
には、別途お見積りの上で報酬が必要となります。

これらの“その他の報酬”は初回の面談時になかなか決定することが困難ですので、こういった場合にこれだけかかりますという説明を事前にしておき、業務完了時に精算という形をとることが望ましいでしょう。
なお、この中でもよく出てくるものを個別にご紹介したいと思います。

2-1.預金通帳の冊数が極端に多い場合

相続税申告業務に預金移動調査は必須ですので、通帳の冊数が極端に多く預金移動の抽出件数が多い場合に稼働が通常よりも多くかかってしまいます。そのため、通帳の冊数が多い場合には追加報酬がかかるように設定しておきます。

2-2.広大地評価を必要とする場合

広大地の評価は、難しいです。適用できそうで、実はできなかったり、またその逆も良くあります。
そのため、広大地評価で申告をする場合には原則として不動産鑑定士の意見書をつけて申告することをお勧めしています。そのため、初回の面談時に広大地がありそうな場合にはその旨をお客様に事前にご説明することが必要です。

2-3.特殊な相続財産の評価が必要な場合

例えば、著作権や競走馬、また美術品や庭園設備、評価基本通達を呼んでもいまいち評価方法が明確でないような相続税評価を行う場合には検討にかなりの工数を要することとなります。そのため、こういった資産がある場合には事前に見積もりをして通常よりも追加で報酬を請求する必要があります。

2-4.名義資産の判定が必要な場合

原資に被相続人のものが混じっている子供や妻名義の預金口座が多数あるような場合。
明確な名義預金として相続財産に明らかに計上しなければいけない場合には特に検討時間は必要ありませんが、困難なのは、預金の移動が双方向にかなりの件数あったり、また預金移動が負えない10年以上前のことでだれもその形成過程がわからないといったような場合です。

2-5.揉めそう(揉めてる)場合

相続人間が争っていたり、争いそうになっていたりする場合にはやはり工数がかかります。
説明や面談を相続人ごとに別々にする必要があったり、また伝言をお願いされたりと、通常の揉めていない相続に比べるとやはり業務には工数がかかります。そのため、なんらかの基準を設けて見積もりを行う必要があるでしょう。

3.その他の報酬の具体的な決定方法

税理士法人チェスターでは、HPで公開している報酬表以外にオプション料金表が存在します。
上記のように、通常とは異なる業務が生じそうな場合を網羅したもので、こういった場合にはこの報酬がかかりますというものですが、これは初回のご面談時にかならずご説明を行っています。

例えば、非上場株式においても通常が15万円という報酬設定となっていますが、資産規模や売り上げ規模に応じて報酬を変更しています。また、通帳の冊数についても、○○冊以上の場合は追加報酬○○円という決まりがあります。

こういった報酬体系は、年間450件以上の相続税申告を行っている経験値から出来上がったものです。
この報酬表や報酬の決定方法については、今のところ外部には公開していません。

4.まとめ

税理士向けの相続税申告報酬の適正な決定方法をご説明してきました。

年間数百件と相続税申告を行ってきているからこそできる適正な相続税申告報酬の決め方ですが、例えば、この報酬体系を年間数件しか相続税申告を行っていない事務所が真似をしても、利益が出せないということもあると思います。戸籍収集の代行をして、広大地評価をして、遺産分割案を複数作成し、書面添付の記載方法を考えて、などなどやることは山盛りです。

相続税申告は特殊な業務ですので、報酬を低くしたからといって受任件数が増えるというような性質の業務ではありません。そのため、相続是申告報酬についてはその事務所に応じた適正な報酬を決定すればよいと思います。

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