【税理士向け】相続税申告業務の委任契約書作成マニュアル

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

相続税申告業務にあまり慣れていない税理士の方は、顧客との契約書ってどうやって作ればいいのかと悩まれることも多いと思います。
そこで、年間400件以上の相続税申告の契約を受任している税理士法人チェスターが、自社の実例をご紹介しながら、相続税申告委任契約書の書き方を解説致します。

1.「相続税申告に関する委任契約書」の記載事項の解説

まずは、以下の書式をご覧いただければと思います。これは、実際に税理士法人チェスターが使っている契約書とほぼ同様のものとなります。こちらをダウンロードして自由に使っていただければと思います。
それでは、項目ごとに解説していきたいと思います。

契約書


ダウンロード:【書式】 相続税申告に関する委任契約書

1-1.タイトル部分

〔印紙〕 相続税申告に関する委任契約書

貼り付ける印紙の額については、
印紙税額一覧表|国税庁を参考にして下さい。こちらの一覧表の「2.請負に関する契約書」欄の金額に応じたものでよいかと思います。100万以下の場合がほとんどだと思いますので、200円です。顧客に渡す分とこちらで保管する分、それぞれに200円ずつ貼り付けしましょう。

タイトルについては、「相続税申告に関する委任契約書」となっています。
税理士会等によると、税理士業務は一般的に、「委任契約」と解されているようですので、ここは請負契約ではなく委任契約となります。
なお、委任契約だから印紙税はかからないのでは?という考えもあるが、税務書類の作成を目的とする契約の場合、印紙税は課税されるようです。この部分の詳しい解説は省略します。

1-2. 第1条 委任業務の範囲

本件相続にかかる相続税の税務代理、税務相談、税務書類の作成

税理士の独占業務の3本柱、「税務代理」「税務相談」「税務書類の作成」のすべてを記載しています。
場合によっては、税務相談のみの場合や、税務代理権限証書を提出せずに税務書類の作成のみの契約も有り得ると思いますので、場合によって項目を変更して下さい。ただ、ほとんどのケースでは、特に変更は不要です。

1-3. 第2条 報酬の額及び支払方法

総額 金■■■■円(税込)とする。
(但し、弁護士、司法書士、不動産鑑定士等の費用、税務調査の立会に関わる報酬、交通費等の実費は含まない。)

上記報酬のうち、着手金として■■■■円(税込)を契約時に支払い、残額は業務完了後に支払うものとする。
なお追加オプションを契約後に甲が申し込んだ場合には、業務完了時に契約時の報酬残金と合わせて支払う
ものとする。

■■■■■■銀行 本店 普通 ■■■■ ■■■■■■■■■■ 

あなたの事務所の報酬規程に従って、別途事前に提示した報酬総額と着手金の金額を記載しましょう。
税理士法人チェスターでは、通常は着手金として報酬総額の半金を契約時に頂いています。なお、オプション報酬の記載等はない場合にはカットしても良いでしょう。

注意点として、弁護士や司法書士等の報酬が含まれていると誤解されることがよくありますので、ここの記載はきっちりとしておきましょう。また、税務調査については、税理士法人チェスターでは別途報酬を頂いています。税理士法人チェスターの場合、そもそも税務調査に発展する確率は全案件の1%に過ぎませんのでその旨もお客様に契約時に説明をしています。

1-4. 第3条 資料の提供及び秘密の保持

甲は業務遂行に必要な帳簿書類、その他必要な資料を乙に提供しなければならない。また、乙は業務上知り得た秘密を正当な理由なくして他に洩らしてはならない。

この部分の記載は念のためのガード文言です。想定されるケースとして、こちらがお願いした資料の提出がなされていないのに、申告作業が遅い、間に合わなかったというクレームが発生することです。
資料の提出をきちんとして頂けないと、こちらも業務ができませんよということを契約書上に明記しています。また後半部分は、当然のことですが、お客様に安心を与えるための記載です。

1-5. 第4条 契約の解除

甲の責に帰すべき理由により委嘱業務の処理が不能となった場合及び甲の自己の都合により契約を解除する場合は、報酬及び日当、旅費等の金額を乙に支払わなければならない。

こちらも念のための文言です。相続案件でたまにあるのは、契約時は仲が良かった相続人が遺産分割の話し合いを進めていくうちにもめ出して、間に弁護士が入り、最終的には別々の税理士で申告するといったケースです。この場合、別の税理士側にいった相続人との契約解除が想定されます。

1-6. 第5条 遅延損害金

甲が本契約に基づく金銭債務の支払いを遅延したときは、支払期日の1か月後から支払完了日に至るまで年14.6%(年365日日割計算)の割合による遅延損害金を支払うものとする。 

一般的な契約書によくある記載ですが、こちらも忘れずに記載しておきましょう。
遅延損害金14.6%は、消費者契約法という法律で定められた上限金利ですので、これ以下の利率で設定しても問題はありません。
なお、税理士法人チェスターの場合、あえて、「支払い期日の1か月後」からこの遅延損害金の発生とし、緩い条件にしています。

1-7. 第6条 賠償責任

乙の過失によって委任者が過大な税金を負担し、あるいは過少申告加算税などが賦課される等の損失を被った場合については、乙は税理士賠償保険で填補される金額以上の賠償義務を負わないものとする。ただし、乙に故意がある場合には乙は免責されない。

この部分について、税理士法人チェスターの場合は、上限を「税理士損害賠償保険で補てんされる金額」としていますが、場合によっては、頂く報酬を上限とする場合や報酬の2倍や3倍を上限とするケースも想定されます。

1-8. 第7条 特記事項

何か特記事項がある場合にはこちらに記載しましょう。
例えば、物納の申請を行う可能性がありそうな場合には、「物納になったら、追加で報酬●●円かかります」と記載したり、また、基礎控除以下になる可能性のある場合には「計算した結果、基礎控除以下になり申告不要になった場合には着手金のみで業務終了とします」といった記載が考えられます。

1-9.署名・押印欄

税理士法人チェスターの場合、原則は「相続人代表者」の方のみから署名・押印をもらっています。ただ、お客様の要望で複数人で署名したいと言われた場合等には複数人から署名・押印をもらうことも考えられます。

2.まとめ

相続税申告業務における契約書の作成方法について解説してきましたが如何でしたでしょうか。
こちらを参考に相続税申告業務を行っていっていただければと思います。
なお、税理士法人チェスターでは、全国の税理士・会計事務所向けに相続税申告業務のサポートを行っております。こちらのサイトには、会計事務所が行う相続税申告業務の参考になるノウハウをいろいろと公開しておりますのでぜひ参考にしてもらえればと思います。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

【無料プレゼント】相続税申告業務大全

相続税申告件数年間500件を行う税理士法人チェスターの原動力

相続税申告に関する
「専門知識」「実務経験」の全貌を公開

チェスターの所内で実際に行われる評価における計算や判断、
集客から財産評価まで全ての業務フローを解説。

「相続税申告業務大全」

を、無料プレゼント!!

無料ですぐに入手する

SNSでもご購読できます。