広大地の相続税評価において「著しく地積が広大」とは

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広大地の相続税評価において「著しく地積が広大」とは

※2018年1月以降発生の相続について、「広大地評価」は適用できません。代わりに「地積規模の大きな宅地の評価」が新設されています。※

評価対象の土地が広大地に当てはまるかどうかは、目安となる地積が示されていますが、たとえこの基準面積より小さくても、周辺の標準的な住宅に比べ「著しく地積が広大」なら広大地が適用されます。今回は「著しく地積が広大」と判断するための具体的な判断基準について見ていきましょう。

1.広大地の相続税評価において「著しく地積が広大」とは

広大地適用されると、土地の評価額が約4~6割も減額されるため、大きな土地を持っている人にとっては見逃せない評価方法です。

評価対象地が広大地に当てはまるかどうかは、「その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な宅地で、都市計画法第4条第12項に規定する開発行為をした場合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められるものをいいます。ただし、大規模工場用地に該当するもの及び中高層の集合住宅等の敷地用地に適しているものは除かれます」という基準をもとに判断をします。

つまり、広大地適用するためには「大規模工場用地ではない」「周辺の宅地よりも地積が著しく広い」「土地の活用方法として、戸建て分譲向きであり、マンションには適さない」「開発時に道路や公園といった公共公益的施設用地を作らなくてはならない」という要件をすべて満たしていることが必要なのです。

広大地適用されると税務署としては納税額が大幅減額されてしまうため、地積が広い土地に関してはチェックが厳しくなります。

特に「新たな公共公益的施設が必要か」「戸建て住宅向きか」「著しく広大か」あたりが、線引きが難しいため、広大地適用の判断に頭を悩ませてしまう部分でしょう。

1-1.三大都市圏の市街化区域では500㎡以上

広大地の適用要件の中に「その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な宅地」とあるため、周辺の土地の利用状況がポイントです。

土地の需要が高い都市部では標準的な宅地の地積も小さくなりがちですので、三大都市圏の市街化区域では500㎡以上が広大地と判断される面積基準です。これはテニスコート2つ分程度の広さです。

この三大都市圏とは、
①首都圏整備法第2条第3項に規定する既成市街地又は同条第4項に規定する近郊整備地帯
②近畿圏整備法第2条第3項に規定する既成都市区域又は同条第4項に規定する近郊整備区域
③中部圏開発整備法第2条第3項に規定する都市整備区域

のことですが、同じ行政区でも、三大都市圏に入るのは一部のみ、というところもありますので、評価対象地がどの区域に入るのかは市町村への確認が必要です。

1-2.三大都市圏以外の市街化区域では1,000㎡以上

市街化区域とは、「すでに市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」のこと。

東京23区や大阪市のような大都市が代表的な市街化区域ですが、実は全国的に市街化区域として指定されているエリアは4%程度しかありません。ここに日本の人口のおよそ7割が暮らしているのです。

人口が密集している市街化区域では、三大都市圏ほどではありませんが、標準的な宅地も狭くなりがちな傾向がありますので、三大都市圏以外の市街化区域では1,000㎡以上が広大地適用になる基準面積となります。大きさとしては、小学校などにある25mプール3つ分程度の大きさです。

1-3.非線引き地域では3,000㎡以上

無秩序な開発を防ぐために、都道府県は市街化区域と市街化調整区域を定めることができます。市街化区域と市街化調整区域に指定さているエリアでは都市計画法と建築基準法により、建築の規制が厳しくなっています。
市街化区域・市街化調整区域は都市計画区域全体の5割ほどで、残る5割は市街化区域でも市街化調整区域でもない「非線引き地域」と呼ばれています。

非線引き地域は建築の規制も緩やかで、土地の需要も都市部ほどではありません。標準的な宅地も、都市部よりは広めになっていることが多いので、非線引き地域の広大地適用の基準面積は3,000㎡以上となっています。これはサッカーグランド半分ほどの広さです。

2.500㎡以下でも広大地適用が可能な「ミニ開発分譲」とは?

評価対象地が著しく広大な土地であるかどうかは、付近の地価公示地、地価調査基準地、開発許可必要面積などが参考になりますが、先ほど示した基準面積はあくまでも目安の一つに過ぎません。たとえ基準面積に満たなくても、その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大であれば、広大地に当てはめることができるのです。

市街化区域では500㎡以下の土地は都道府県知事の許可も公道の設置も不要であるため、位置指定道路を用いた開発が多く行われています。こうした開発をミニ開発分譲といいます。

建築基準法では、道路に2m以上接していない土地には建物を建てられないことになっています。位置指定道路は、特定行政庁から指定や許可を受けた道路のこと。広大地を利用した分譲地では中央あたりに位置指定道路を設置し、その道路を取り囲むように区画割りを行うことで、接道義務をクリアするのが一般的です。

位置指定道路を使った開発は、大規模な開発が可能な地域では行政の許可が下りないので、市街化区域内にあってミニ開発が可能な土地であれば、500㎡以下でも広大地適用になる可能性があります。また首都圏では、300㎡にまで開発許可面積が引き下げられている場所もあります。

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