相続税申告書の按分割合を調整して節税が可能

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相続税を納付する際に相続人が複数人いる場合には、按分割合を考えなければなりません。単純に相続額の割合を計算するだけに見える按分割合ですが、この按分割合の調整次第で節税ができることもあります。按分割合のルールや調整の方法についてご説明しましょう。

1.相続税申告において“按分割合”とは?

按分割合というのは「相続税の総額に対し、各相続人が相続税を負担する割合」のことです。この割合は相続した財産の割合に応じて決まります。財産の3割を相続すれば相続税の負担も3割、7割を相続すれば相続税の負担も7割です。

綺麗に割り切れる場合には何の問題もありませんが、場合によっては小数点以下の端数が生まれることもあります。端数の処理方法には法的な決まりがなく、ある程度の裁量が許されています。しかし、好きに端数の処理をしても良いということではありません。

2. “按分割合”の基本的なルール

端数の処理には当然ながら「切り上げ」と「切り捨て」を使います。按分割合はあくまで割合ですので、足して1にならなければなりません。ということは、誰かの端数を切り上げたら、誰かの端数を切り捨てなければならないのです。まずは「端数の多い人」から順に切り上げていき、4人なら2人、7人なら3人と半数を超えない人数まで切り上げたら、今度は端数が少ない人を同じ人数分切り捨てます。すると、切り上げた分切り捨てられているので、按分割合を合計してもきちんと1のままになるのです。

相続税の申告書には最大で小数点10桁までの小数点を記入できますが、必ず10桁の小数点を入力しなければいけないわけではありません。つまり、小数点の桁数をどこに合わせ、どの端数を処理していくのかについてこちらで調整できるということになります。

3. “按分割合”を調整することで節税になることも

端数の調整によって課税される相続税の総額が変わるわけではありませんが、重要なのは人によって「控除額」が異なるということです。例えば、「配偶者控除」は法定相続分、もしくは1億6千万までは控除されます。これ以下の金額であれば、相続税を納める必要はないわけです。この場合、按分割合の端数調整によって配偶者の相続税が増えても、大きな問題にはなりません。

つまり、控除額の大きい人の端数が多くなる小数点の位を選び切り上げ、それ以外の人間を切り下げれば、実質的に収めなければならない相続税の総額が減ることになります。これはあくまで小数点以下の端数に過ぎませんので、相続税の額が低ければそれほど大きな節税効果は期待できません。しかし、総額が億を超えるような財産を相続する場合にはこの端数調整によって数万単位の節税ができる場合もあります。やり方は簡単なので、覚えておくといいでしょう。

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