税理士向け!相続税の意見聴取・税務調査対応マニュアル

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相続税の実務経験が少ない税理士にとっては、相続税の意見聴取や税務調査は未知の世界だと思います。

税務署から意見聴取や税務調査の連絡がきても、焦らずに落ち着いて対応できるように、事前に知識を持っておくことは非常に重要です。また、事前に対策を講じることで、税務調査の件数を大幅に減らすことも可能となります。

この記事では、年間500件以上の相続税申告を行っている税理士法人チェスターの代表税理士の福留が自身の経験を元に、相続税の意見聴取や税務調査への対応方法を解説したいと思います。

1.相続税の意見聴取について

書面添付制度を適用して相続税の申告を行うと、税務調査が行われる前に申告した税理士に対して意見聴取が行われます。意見聴取は、あくまで税理士に対するもので相続人は登場しません。

税務調査の場合は税務職員から相続人に対する質問がメインとなりますが、この意見聴取では税務署が税理士に対して意見を聴取するという形式で行われます。

1-1.税務署からの連絡、そして意見聴取までの流れ

前述の通り、この意見聴取が実施される場合には税務署から担当税理士に対して電話で連絡があります。

「先生の方で、〇年〇月に提出された被相続人〇〇様に関わる相続税申告について意見聴取を実施したいのですが」

と連絡が入り、通常の税務調査と同様に日程調整をします。

基本的には税務署に来てほしいと言われるのですが、交渉次第では税理士事務所の方に来てもらったり、遠方の場合には電話での意見聴取ということも可能のようです。

1-2.意見聴取当日

書面添付に税理士が記載した事項を、税務署側が1つ1つ税理士に対して確認していくという形式で行われます。
ただ、この意見聴取が行われるということで、多くの場合、税務署側が事前に下調べをして、気になるポイントがある場合です。

そのため、税務署が気になっているポイントについて、重点的に質問があります。例えば、

「〇月〇日に100万円の出金があるが、使途は分かりますか?」

と言った質問です。本来書面添付制度の趣旨から言うと、税理士が書面添付に記載していない事項を税務署が質問することはないはずなのですが、最近はそんなこともなくなってきています。

効率的に意見聴取・税務調査を実施するために、税務署側もポイントを絞って質問をしてくれるようになってきているという印象です。

ただ、中には何の下調べもせずに、新人職員の研修のような意見聴取もあるにはありますが…。

なお、こういった個別質問事項に対して、その場で判明していればもちろん即答できますが、仮に分かっていない場合でも一度持ち帰って、相続人に再度確認をして後日回答ということも可能です。

1-3.意見聴取後の流れ

意見聴取が終わり、税務署の疑問点に対して税理士が回答した後は、以下のような流れとなります。

【ケース1】税理士の回答に税務署が納得した場合

例えば、先ほどの質問ですと、

「この100万円は被相続人のための病院の医療費です。領収書はこちらです。」

と、税理士が回答すれば、税務署は納得するでしょう。

そして、これで税務署が気になるポイントが解消できれば、税務調査に発展せず、これにて終了ということになります。

【ケース2】税理士の回答に税務署が納得できなかった場合

ただ、税理士の回答が

「100万円の出金の使途は不明です…」

となると、税務署側としてはこのまま引き下がれませんので、税務調査を実施してみようとなるでしょう。

この場合には、続いて税務調査の日程調整へと話しが続きます。

2.相続税の税務調査について

相続税の意見聴取で問題が解消されない場合、相続税の税務調査へと移行します。
意見聴取が行われた後の税務調査も、意見聴取なしで行われる税務調査も基本的に内容は同じです。

ただ、税務調査官によっては、意見聴取である程度話を聞いているので、税務調査は効率的にしましょうということで通常丸1日かかる税務調査が半日で終わったりすることもあります。

2-1.相続税の税務調査当日の流れ

この記事には次のようなことが紹介されています。

1.相続税の税務調査の概要
1-1.税務調査の確率は25%!4人に1人が税務署からチェックされている
1-2.税務署の相続税の税務調査先の選び方。税務調査に来る前に勝負はほぼ決まっている。
1-3.税務調査の種類は強制捜査(マルサ)と任意調査の2種類
1-4.税務調査の時期は申告してから1年後もしくは2年後の「秋」にくる
2.税務調査の前に準備しておくこと
3.事前に抑えておきたい税務調査当日の流れ
4.そんなところまで聞かれる!?税務調査質問集とその対応方法
4-1.税務調査で聞かれる質問集とその意図
4-2.「タンスの中を見せてもらってもいいですか?」等についての対応方法
5.税務調査終了後の対応
5-1税務調査で指摘されて追徴となった場合のペナルティ
5-2 税務署の指摘に納得できない場合の「異議申し立て手続き」と「国税不服審判所」への申し立て
6.相続税の税務調査に入られないための対策
7.まとめ

3.相続税の意見聴取・税務調査に関するFAQ【税理士向け】

3-1.意見聴取や税務調査に通常かかる時間は?

意見聴取は内容にもよりますが、通常は税務署側でポイントを整理していますので、1~2時間程度で終わるでしょう。税務調査はよほど大きな案件(何十億)ではない限り、通常丸1日で終わります。

3-2.意見聴取や税務調査に対する報酬はいくら請求すれば良い?

税理士法人チェスターでは、意見聴取は2.5万、税務調査は5万円を報酬として設定しています。
ただ、これは当日立ち会いに関する日当で、後に遺産の再調査や申告書の作成が必要になった場合には別途、個別にお見積りという形をとっています。

3-3.書面添付をつけると税理士の責任が重くなるって聞いたけどホント!?

書面添付に“ウソ”や“間違い”を記載すると、職業的専門家としての責任が問われます。税務調査を回避するために、ウソの情報を記載すれば最悪、脱税ほう助と看做されてもおかしくありません。

但し、これは書面添付をつけるつけないにかかわらず税理士として仕事をしている時点で当然のことであると思います。もちろん、書面添付を付けるためにはそれなりの労力をかけ、調査などを必要になるため業務量の負担は確実に増えますが、ただ、それによって税理士の責任が極端に重くなるかというと、そんなことはないと個人的には思います。

4.まとめ

税務調査はあらかじめ質問される事項やポイントを抑えておけば、専門家として適切な対応が取れます。

しかし実際の調査対応をしているときに実感するのが「相手が何を考えているか」、つまり国税側がどのような思考をもって評価をしているか知ることが大きな武器となるということです。

弊所では資産税に精通された国税OBとのつながりがあるからこそ、困ったときにすぐ情報にリーチできますが、これをご覧いただいている先生はそのような状況にないかもしれません。

もし国税側の意見を知り的確な税務調査対策を立てる場合は国税OBが明かす 「相続税の税務調査の実態と裏側」をみて実務で役立つ情報を手に入れるのも有用かと思います。

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