非上場株式の相続税評価をする上での「従業員数」の求め方

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従業員

非上場株式の相続税評価において、「従業員数」の計算方法および「従業員」の範囲に関する定義が、国税庁の財産評価基本通達などの中で具体的に定められています。それぞれの項目について、具体例も含めて内容をご紹介していきましょう。

1.非上場株式の相続税評価における「従業員」の範囲

非上場株式評価における「従業員」とは、雇用形態や勤務時間の長短に関係なく、評価会社との間に締結された雇用契約に基づき賃金を受け取っている個人を意味します。

したがって、他社より評価会社へ出向しており、給与等を評価会社より受け取っている個人については、出向元の会社ではなく評価会社の従業員数に含まれます。

なお、法人税法施行令第71条において定めのある「使用人兼務役員とされない役員」は、その従業員の範囲には含まれません。当該役員の具体例としては、代表取締役や専務・常務、会計参与や監査役などの役員のほか、合名会社や合資会社の業務執行社員などが挙げられます。ちなみに、いわゆる平取締役は従業員の数に含まれるので注意が必要です。

2.非上場株式の相続税評価における「従業員数」の計算方法

非上場株式評価の際に用いる「従業員数」については、国税庁の財産評価基本通達の第8章第1節178(2)に基づいて計算していきます。

2-1.ステップ1

最初のステップとして、評価会社に勤務する従業員をその勤務時間数に応じて「継続勤務従業員」とそれ以外の従業員に区分する必要があります。継続勤務従業員とは、就業規則などによって定められた労働時間が、課税時期直前の期末時点から起算して、1年間にわたり週30時間以上継続勤務していた従業員を指します。

2-2.ステップ2

継続勤務従業員の人数とそれ以外の従業員の労働時間数が把握できたら、下記の算式に各数値をあてはめ、非上場株式評価に用いる「従業員数」を算定しましょう。なお、国税庁の財産評価基本通達178(2)にて、従業員一人あたりの「年間平均労働時間数」は、1,800時間と規定されています。

<算式>
(評価会社の従業員数)=(課税時期直前の期末以前1年間における継続勤務従業員の数)+[(左記の継続勤務従業員以外の期末以前1年間の合計労働時間数)/(従業員一人あたりの年間平均労働時間数1,800時間)]

2-3.従業員数の計算事例

<設定条件>
課税時期直前の期末:2016年12月31日
社長・副社長をはじめとする取締役の人数:5人 ※平取締役は除く
平取締役の人数:3人
継続勤務従業員の人数:20人
2016年1月1日から12月31日までに継続勤務従業員以外が勤務した合計労働時間数:55,000時間

<計算方法>
(評価会社の従業員数)=20人+3人+(55,000時間/1,800時間)=53.6人 → 53人

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