相続税法における「扶養義務者」

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扶養義務者とは、対象となる被扶養者の扶養義務をもつ人を言います。
扶養とは、ご自身で生活していくことが難しい状態にある人を援助する行為を言い、所得税の扶養控除などは身近な言葉ではないでしょうか?
しかし、相続税・所得税・社会保険とおなじ「扶養」という言葉でも、意味や範囲が異なることはご存知ですか?
今回は、相続税における扶養義務者の範囲についてご紹介します。

1.相続税法における「扶養義務者」

相続税法における「扶養義務者」については、相続税法第1条の2第1号に規定されています。

相続税法での扶養義務者の定義は上記のように、配偶者と民法の規定による親族が対象となるという記載のみで、年齢の対する制限や、生活費等の援助の事実に関しての条件は決められていません。

2.民法第877条に規定する親族とは

上記の条文に記載されているように、民法が規定する親族は、直系血族・兄弟姉妹、家庭裁判所の判断により扶養義務を負うことになった三親等内の親族とあります。
これを、そのまま解釈すると三親等内の親族は同一生計であっても、家庭裁判所の判断が無い場合には扶養義務者に該当しないように感じます。
しかし、近しい関係性の場合には、叔父・叔母が姪や甥の生活を援助するということも考えられます。

そのため、相続税基本通達(相基通)によって、
「三親等内の親族で生計を一する者については、家庭裁判所の審判がない場合であってもこれに該当するものとして取り扱うものとする」という解釈が記されています。

*相続税基本通達とは*
相続税法の法定の解釈等を示すものです。
法的効力があるわけではありませんが、審判などの判断の基準として使用されます。

3.判定時期は“相続開始日”時点

上記でご説明した「扶養義務者」に該当するかどうかの判断を行う基準は、「相続開始日」つまり被相続人が亡くなった日の時点の状況により判断されます。
これは贈与税でも同様に「贈与があった日」時点の状況となります。

まとめ

相続税法における扶養義務者の範囲についてご紹介しました。
相続税では、未成年者控除や障害者控除の適用を受ける際、特例控除の適用をうける相続人の控除額が納付税額を上回る場合には、扶養義務者の納付税額からも控除が可能となります。
そのため、特例控除の適用を受ける相続人がいる場合には、扶養義務者が誰になるかを理解しておきましょう。

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