相続税の対象となる名義預金には時効がない!?

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相続税の対象となる名義預金には時効がない!?

名義預金は、実質的にはその名義人ではなく被相続人が行ったと判断される預金で、相続の際には被相続人の財産として扱われます。名義預金には贈与と異なり時効がありませんので、相続時にかかる相続税評価額が想定以上になることも避けられません。名義預金について解説していきましょう。

1.相続税の対象となる名義預金とは?

名義預金とは、形式的に配偶者や親族などの名前で行われるものの、実質的には名義人以外が行っている、もしくは名義人以外の財産が原資となる預金のことをいいます。

よくある例が、親が子の名義や、祖父母が孫名義の通帳を作成し預金している場合です。子や孫が後に使えるように、という目的でしょうが、正式な贈与の手続きが行われていない場合には、親や祖父母など実質的な預金者の所有とされ、相続税の課税対象となります。

また、夫婦間でも名義預金は発生します。例えば専業主婦が夫の渡す生活費から余剰分を貯めていた場合などです。実質的には夫の収入が元となる預金であることから、夫の名義預金であると判断されてしまうのです。
このような事態を避けるためには、あらかじめ贈与契約を行っておかなければなりません。

2.「贈与」と「名義預金」の違い

「贈与」と「名義預金」の違いは、管理権の移転と贈与契約書等の有無にあります。
贈与が成立するには、贈与する人と受け取る人の双方の合意、管理権の移転が必要です。したがって、親族間などで親が子の名義で預金していることを子が知っていたとしても、子がその預金を自由に動かすことができなければ贈与は成立しません。子が通帳を所有していることや印鑑が別であることが確認されます。贈与目的で名義変更を行った場合でも、同時に管理権も移転しておかなければならず、贈与時に贈与税を支払っている、という事実だけでは不十分です。

また、贈与に関して双方が合意していることを客観的に証明するには、贈与契約書の作成が欠かせません。贈与であるか名義預金であるか確認が必要となった時に、贈与した人が亡くなっている場合には、その意思が確認できないからです。

3.名義預金には時効がないので要注意

贈与税の場合は、申告しなかった場合6年、悪質な場合には7年で時効となります。しかし、名義預金の場合には、贈与には当たらないため、時効は設定されていません。

そのため、長期的に形成されてきた名義預金が相続の際に相続財産として取り扱われた場合、相続税の発生や遺産分割に大きな影響をおよぼすことが懸念されます。親族間はもちろん、長期間にわたる資金移動とみなされる夫婦間においても、贈与契約書を事前に作成しておくことが必要です。

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