容積率の異なる2以上の地域にわたる土地の評価方法

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価対象地は、下記のように用途地域および容積率の異なる地域に所在しており、貸駐車場の敷地として事業の用に供されています。

なお、基準容積率算定における割合はA(商業地域:6/10)、B(第2種中高層住居専用地域:4/10)とされています。

1.容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地評価の概要

容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の価額は、財産評価基本通達15(奥行価格補正)から同通達20-5(がけ地等を有する宅地の評価)までの定めにより評価した価額から、その価額に次の算式により計算した割合を乗じて計算した金額を控除した価額によって評価します。

算式中の「容積率が価額に及ぼす影響度」は、同通達14-2に定める地区に応じて、それぞれ下の表の通りに定められています。(評基通20-6)

※容積率とは

建築基準法第52条に規定する敷地面積に対する建築物の延べ面積の合計(延床面積)の割合のことで、建物は原則としてこの容積率を超えないように建築しなければなりません。

たとえば容積率200%の地域ならば敷地面積の2倍を超える延床面積の建物は建築できないことになります。

2. 敷地に対して適用される容積率の限度

それぞれの敷地に対して適用される容積率の限度は、以下に説明する『指定容積率』と『基準容積率』のうち、いずれか小さい値となります。

ただし、前面道路の幅員が12m以上の場合、『指定容積率』がそのまま敷地に対して適用される容積率の限度となります。

2-1.指定容積率

指定容積率とは、各地方公共団体の都市計画によって定められた容積率のことです。

2-2.基準容積率

表を見れば分かる通り、基準容積率は、原則として住居系の用途地域では道路幅員×4/10、その他の地域では道路幅員×6/10で求められます。

3.容積率算出にあたっての留意点

3-1. 容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の評価減割合の計算

容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の評価減割合の計算にて適用する容積率は、指定容積率と基準容積率のうち「いずれか小さい容積率」を適用します。

なお、前面道路が2以上あるときは、その道路のうち「大きい方の道路幅員」を用いて基準容積率を算出します。

3-2.基準容積率の計算でマイナスとなる場合

正面路線に接する部分の容積率が他の部分の容積率よりも低い宅地のように、この算式により計算した控除割合がマイナスとなるときは、減額割合を適用しないことになります。

3-3.正面路線価の判定

財産評価基本通達20-6の(注)3に定められている通り、以下のような事例の場合には正面路線価の判定に注意が必要です。

【設例】質疑応答事例より

① 正面路線の路線価に奥行価格補正率を乗じて求めた価額に容積率の格差による減額調整を行った価額
600,000円×1.00-(600,000円×1.00×0.167)=499,800円

② 裏面路線の路線価に奥行価格補正率を乗じて求めた価額
500,000円×1.00=500,000円

③ ①<②となる場合、容積率の格差による減額調整は適用せず、裏面路線を正面路線とみなして、当該画地の評価額を求めます。

なお、宅地の価額は最も高い効用を有する路線から影響を強く受けることから、上記事例の場合は正面路線とみなされた路線(裏面路線)の路線価の地区区分に応じた補正率を適用します。

4.設例の評価計算

4-1.容積率の計算

① A:商業地域

 指定容積率:300%
 基準容積率:10m(最大道路幅員)×6/10=600%
 容積率 300% < 600%  ∴ 300%

② B:第2種中高層住居専用地域

 指定容積率:200%
 基準容積率:10m(最大道路幅員)× 4/10 = 400%
 容積率 200% < 400%  ∴ 200%

4-2.路線価方式による自用地評価額の計算

500千円×1.00(*1)×900㎡=450,000千円
(*1)奥行30mに対する奥行価格補正率(普通商業・併用住宅地区)

4-3.評価額の計算

① 減額割合の計算(小数点3位未満四捨五入)

[ 300% × 600㎡ + 200% × 300㎡ ] × 0.5 = 0.0555…⇒0.056
300% × 900㎡

※右にスワイプして下さい

② 450,000千円-450,000千円×0.056=424,800千円

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