縄延び・縄縮みがある土地の相続税評価方法

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土地の相続税評価で「縄延び」・「縄縮み」という言葉を聞いたことがありますか?「縄延び」・「縄縮み」とは、どういう土地の状態を指しているのでしょうか?今回は「縄延び」・「縄縮み」の意味と「縄延び」・「縄縮み」している土地の相続税評価方法について解説します。

1.「縄延び」・「縄縮み」とは?

登記簿に記載されている土地の表示についての登記事項のなかにある「地積」は、公募面積を表しています。この公募面積は実際の面積であると思われていますが、登記簿上に記載されていても、正しいと公に認証されているわけではありません。

むしろ、実測面積と異なり誤差があることの方が一般的です。実際の面積が登記簿上の面積よりも大きい場合を縄延び、小さい場合を縄縮みといいます。

相続税の評価では、実際の地積により評価しますので、縄延びでは登記簿上の面積で評価した場合過小評価となり、ペナルティーになります。縄縮みでは、登記簿上の面積で評価した場合、過大評価となり、税金を無駄に払うことになります。

1-1.測量の必要性

縄延びに注意することは必要ですが、相続税申告の際に必ず測量しなければならないというわけではありません。測量を土地家屋調査士等の専門家に依頼すれば測量費用もかかってきます。

また、税務署もそこまで厳密に求めていません。しかし、登記簿上の地積が実際の面積より明らかに少ないと思われる場合は、簡易的な測量を行ってから申告することをおすすめします。縄縮みがある場合は、相続税評価額が低くなりますから節税のためにも測量を行うとよいでしょう。

2.「縄延び」・「縄縮み」している土地の相続税評価方法

相続税財産評価通達8に記載されているように、土地の評価を行う際には地積は、課税時期の実際の面積とされています。従って、「路線価×土地の面積」が基本的な計算法です。相続税評価では土地の面積がベースになります。では、縄延びや縄縮みがあった場合、どのように計算をしたらよいでしょうか。

2-1.実測地積で申告

財産評価基本通達によると、実際の面積が土地の地積とされています。しかし、土地すべてについて、実測することを求めてはいません。

下記の国税庁HPの質疑応答事例を参照してみましょう。

土地の地積を「実際の地積」によることとしているのは、台帳地積と実際地積とが異なるものについて、実際地積によることとする基本的な考え方を打ち出したものです。
したがって、全ての土地について、実測を要求しているのではありません。

引用:国税庁HP

しかし、税務調査で指摘されないか不安になる方も多いでしょう。税務調査で、問題になることは確かにあります。下記のようなケースです。

  • 航空写真などからの図面では、登記簿の面積よりも実際の面積が明らかに大きい場合
  • 相続後に土地を売却し、その際に実際に測量した結果、縄延び分の精算をした場合
  • 相続後土地を売却し、その後相手先が転売するために実測し登記を更正している
  • 土地の評価で使用した実測図と登記簿上の面積との相違などについては、更正登記は行っていないけれど、正確な実測図がある

つまり、実務的にはコストをかけてまで実測する必要性はないですが、実測図がすでにある場合は実測に基づき評価すべきであるといえます。また、税務調査までの期間に確定測量を行い更正登記をする際には、修正申告は正しい面積で行うべきということです。当然、税務署も登記については調べていますし、売却した場合の売買契約書については、税務署側も入手できるでしょう。

従って、「縄延び」・「縄縮み」の土地の相続税評価は、実測が原則ですが、実測図がない場合、公簿上の面積でもよいといえます。ただし、税務署が調べていることを知っておいた方がよいでしょう。実務的には、実測面積がわかった時点で速やかな対応が求められます。

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